校長先生からのメッセージ(7月)

2022/07/29

校長室

「限られた時間を活かす」

 いよいよ夏休みとなります。これまで児童は様々な学習や学校生活、行事を通して成長してきました。夏休みに子どもたちがずっと家庭で過ごすというのは、ご負担が多いこともあるかもしれませんが、学校では学べない様々な体験や学習を通して、また大きく成長できる限られた期間、限られた時間となるのではないかと思います。

 時間というのは神様からすべての人に平等に与えられたものです。この世界が神さまによって創造された様子が聖書に書かれていますが、自然界の事物がつくられるたびに「夕べがあり、朝があった。」と一日(24時間)の時間の周期を述べています。

私たち人類にとって、そして世界のすべてに平等に与えられた時間を、使い方一つで豊かに、また、幸せにすることができるのです。

 時間の使い方について、コミュニケーション力に関する著書をたくさん書いておられる齋藤孝さん(教育学者・明治大学教授)は次のように言っています。

「私が時間の使い方で大切にしていることは、「非生産的」なことに時間を使わないということである。「非生産的」とは、ぐずぐずしている時間やぼんやりしている時間のことではない。私の言う「非生産的」というのは、嫉妬、後悔、過剰な先読み思考による不安など、負の感情を持つことである。人をねたんだり、自己否定をしたり、後悔してばかりいることに時間を費やすことは、「非生産的」だと考えている。こうした感情にとらわれているといくら時間があっても足りることはない。人の悪口で仲間同士もり上がる、人の悪口をSNSやメールなどネット上で送りあう、そうしたことを見聞きする・・・、すべて「非生産的」な時間である。」

では、「生産的」な時間とは何かというと、こちらも限りなくあることでしょう。齋藤氏の言っていることを反対に見て一つ言えることは、人に喜びを与え、感謝され、それらを生きがいにすることは「生産的」な時間の使い方といえるのではないでしょうか。

三育小・中・高を卒業し現在は医療機関で働いている教え子に会った時、次のようなことを話してくれました。まさに「生産的」な青春時代を過ごしたと感じる話でした。

「三育(特に寮生活)で一番学べたことは、『時間の使い方』だと思います。勉強はもちろん、食事、礼拝、掃除、洗濯、部屋片付け、いくつもの奉仕活動、何から何まで自分でしなければいけない。何でこんなことまでやらないといけないのと思ったこともある。大変な分、自分を見つめることができた。互いに協力し助け合うと「ありがとう」という言葉が返ってきた。すると、やる気が増して嬉しくなる。私も人に「ありがとう」と言われたい。そう思うだけで与えられた時間を精一杯活かし学校生活をがんばれた。」

 どうか夏休みも、限られた期間、限られた時間を大切にして、そして家族同士で「生産的」な時間を過ごされますように。ご家庭の上に神様からの祝福が豊かにありますようお祈り致します。

校長 小原 義信

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