校長先生からのメッセージ(10月)

例年とは違う夏を過ごし、2学期を迎えて1ヶ月が過ぎようとしています。時間を短縮しての学校生活ですが、始業時間にゆとりがあるのか、子どもたちは落ち着いた学びをしています。5,6年生は昨年から練習を始め、運動会で披露する予定だった鼓笛の発表日が近づき、校庭でのマーチの練習に余念がありません。先日まで体育館で音合わせをしていた時と、マーチをしながらの演奏では、タイミングも取りづらく、最初のうちは音や隊列も合いませんでしたが徐々に合ってきました。また、同時に早くも4年生が来年に向けて練習を始めています。

先日、近隣の方から「鼓笛の音が聞こえてきて、子どもたちが頑張っている様子が伝わってきますよ」とコメントをいただきました。10月2日の発表では、練習の成果をご覧いただきたいと思います。また、お越しいただけない保護者のために後日動画を視聴できるよう準備いたします。

さて、先日はオンラインで学校説明会を行いましたが、その中の学校紹介でシュヴァイツァーのことを話しました。皆様も一度は読まれた伝記ではないかと思います。彼は牧師の裕福な家庭に生まれました。子どもの時から様々な差別や格差を感じていた彼は、21歳の時に「自分はこの幸福を、あたりまえだと思っていいのだろうか」と自問します。そのような時に傍らにある聖書を開いて、目に入ってきた聖句はマタイによる福音書10章39節の言葉でした。

「自分の命を得ようとする者は、それを失い、わたしのために命を失う者は、かえってそれを得るのである。」

今まで何度も読んでいた聖句でしたが、このとき彼は「自分の幸福は、自分より不幸な人に分けてあげ、困っている人に力を貸すために才能は与えられている。自分はこの世で苦しんでいるすべての人と共に重荷をいっしょに担わなければならない」と考え、30歳までは自分のために、そしてそのあとは奉仕する仕事に就こうと決心します。そして、30歳の時に医学部に入り、8年かけて医師免許を取得し、生涯を貧困と病気に苦しむアフリカのために捧げる人生を送りました。

自分さえよければ、他人はどうでもいいというような風潮がはびこる現代社会において、シュヴァイツァーの考え方、生き方はかけ離れたものに思われます。しかし、子どもたちには、人間としての正しい倫理観、価値観を大切にして、シュヴァイツァーのような生き方をしてほしいと願います。そして、今そのために三育小学校での学びをしているのだと思います。

過ごしやすい季節になってきました。規則正しい生活を心がけ、学習に力を注いでほしいと思います。ご家庭のご協力をよろしくお願いいたします。

<学校通信 2020年度 第7号>

 

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