校長先生からのメッセージ(12月)

早いもので今年も年の瀬を迎えようとしています。振り返ってみますと、新型コロナウイルスの影響で世界中が混乱の渦の中で数ヶ月が過ぎ、終息どころか感染拡大の様相を呈しています。学校の教育活動もさまざまな制約の中で行われていますが、保護者の皆様のご協力を心より感謝申し上げます。

先日お知らせしましたように、クリスマス会も動画配信ということになり、直にお子様の成長を見ていただける機会がないことを、大変心苦しく思っておりますが、現状を鑑みて判断させていただきました。ご理解いただきますようお願いいたします。

さて、6年生は当初予定していた沖縄への修学旅行がコロナ禍で行けず、神奈川県内で行うことにし、11月8日~10日に実施しました。5年生から平和学習を行っていましたので、果たして県内でそのような場所があるか不安でしたが、調べていくうちに、県内にも平和について考えることができる場所が数多くあることがわかりました。その中から行程を考え、保土ヶ谷区にある英連邦戦死者墓地、港南区にあるかながわ平和祈念館、横須賀市の観音崎公園、アメリカ軍艦船や自衛隊艦船を見学できる軍港クルーズ、東京湾の無人島・猿島の5ヶ所の見学地を絞りました。

児童の多くが印象に残った場所として英連邦戦死者墓地をあげていました。

「戦中、日本国内で死亡した連合軍捕虜約3500人のうち、アメリカ人とオランダ人の遺骨は戦後母国に持ち帰られましたが、イギリス、オーストラリア、カナダ、インド、ニュージーランドなど英連邦の人々の遺骨は横浜の英連邦戦死者墓地に埋葬されました。英連邦戦死者墓地の敷地は、戦前は横浜市の児童遊園地でしたが、戦後進駐軍に接収され、1951年のサンフランシスコ講和条約によって、ここを英連邦の戦死者墓地にすることが決められました。広大な敷地は、イギリス区、オーストラリア区、カナダ・ニュージーランド区、インド・パキスタン区、戦後区に分けられ、各区に1人1人の墓碑が整然と並んでいます。墓碑には氏名、部隊名、階級、認識番号、死亡年月日、年齢、遺族の言葉などが刻まれています。」(戦争捕虜研究会ホームページより転記)

ちょうど当日はRemembrance Day(リメンバランス・デー)で英連邦各国大使館主催の慰霊祭が行われる日でしたので、各国の大使館関係の方が多く来られていました。戦争捕虜研究会の笹本さんと田村さんのお二人が、私たちのために詳しく墓地について説明をしてくださり、大変印象に残り、いろいろなことを考える機会を与えられた場所となりました。その他の見学地も、学んできた戦争と平和について確認することのできる場所でした。田村さんは学校の校訓のことについても触れてくださり、「平和を守るために、みなさんの学校の校訓はとてもすばらしいです。ぜひ行動に移してください」とおっしゃってくださいました。沖縄には行けませんでしたが、有意義な学びができた修学旅行でした。

学校ではクリスマス会のための練習が行われています。動画作成のためにいつもの練習とは違い苦労していますが、そのような中で子どもたちがクリスマスの意味を考え、協力して一つのものを作り上げることで成長してほしいと願っています。ご家庭のご協力を感謝いたします。

クリスマスがイエス・キリストの誕生を祝うと同時に、私たちも周りの人々に、何ができるかを考える時、そして行動に結びつける時になればと思います。

<学校通信 2020年度 第9号>

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