「卒業生への言葉」より抜粋
今年は記録的な速さで桜ソメイヨシノの花が開花しはじめました。学校の周辺の桜も数えきれないほど花びらを広げています。コロナ禍も落ち着き始め、マスクも個人の判断で自由となりました。人々の顔の全面を見ることができ、人の笑顔という花が咲き始めています。正にコロナ明けの春が到来といったところでしょうか。
今日は3月19日、サンイクの日です。
春のおとずれを感じる中、記念すべきこの日、本日、第64回三育小学校卒業式を挙行できますことを、感謝し、心よりお慶び申し上げます。
コロナ禍で、できないこと、変更になったこと、いろいろな制限の中で過ごしてきたこの数年間でした。当たり前とは何かを考えさせられる数年でした。しかし、6年生の皆さんは不足の中で、あるいは不自由の中でいろいろなことを生み出し、力を絞り出し発揮してきました。
これまでの人類歴史の発見、発明もそうでした。気づかなかったことに気づく、したこともなかったこと、思っていなかったことができるようになる。それが新しい文明・文化を生み出してきました。
コロナ禍の状況下で生み出されたことはいくつもあったのではないでしょうか。タブレットの使い方、ズームのやり方は大人顔負けの技術で、私も何度か6年生に教えられたこともありました。
コロナ禍にあっても、三育の伝統ともいえるファミリー活動に皆さんはとても熱心に、そして意欲的に、できる限りのことを取り組んでくれました。積極的に下級生のためになること、下級生が喜ぶように考え、行動していました。ここにいる14人は頼りになる頼もしい一人一人でした。その姿をもうこの学校では見ることができないと思うと、とても寂しいです。
皆さんはこれから新しい学校、新しい場所に出ていかなければなりません。何のために卒業し何のために出ていくのでしょうか。それは、皆さんが周囲の一人ひとりを幸せにするためです。あなたを通してイエス様が働き、あなたを通して幸せが広がっていく。皆さんはそのような存在なのです。どこにいてもだれといても、その居場所であなたが必要とされていきます。
「あなた方が私を選んだのではない。私があなた方を選んだ。」とイエス様は言われました。イエス様があなたを必要としているのです。皆さんが選んだモットーにある「主に信頼し、自分の分別には頼らず、あなたの道を歩く。」とは、だれかがあなたに出会い、だれかがあなたに接する道です。あなた方が、三育小学校のリーダーとして活躍し、下級生にやさしく接してくれた姿、その力をこれから行く先々であなたを必要としている多くの人たちが待っています。そのために今日、あなた方は卒業し、出ていくのです。
1年生から5年生の皆さん、6年生がいなくなるのは寂しいですね。今度は皆さんがひっぱっていく番です。6年生が残してくれた伝統を引き継いでいってください。
卒業生の新しい歩みと、そして今後の新しい出会いに、また、ご家族皆様の上に、そして、教室からお祝いし参加している在校生の皆さんとそのご家族の上に、神様の豊かな祝福と導きがあるようにお祈りいたします。
2023年3月19日
横浜三育小学校校長 小原義信