新入生の皆さん、また転入して来られた皆さん、ご入学おめでとうございます。そして新しいお友達を待っていた在校生の皆さん、ご進級おめでとうございます。保護者の皆さま、ご家族の皆さま方にも心からお祝いを申し上げます。
いよいよ新しい場所、新しいステージでの学びが始まります。この時にしか感じることのできない、この新しいスタートを切るにあたって、リセットされたそれぞれの思いを大切に、前に進んでいってほしいと思います。
皆さんは「春」が好きですか。
鳥や虫や植物などすべてのものが一斉に動き出す季節です。
土の中に二粒の種があります。一粒はとても嬉しそう。もう一粒は何だかさえない顔つきです。嬉しそうな種は、早く地上に顔を出し、大きくなりたくて待ちきれない様子。一方、さえない顔つきの種は、地上になんて出なくていい。大きくなんてなりたくもないし、このまま土の中にじっとしているのが一番だ・・・と思っているようです。
さえない顔の種は、嬉しそうな種に聞きました。なぜそんなに地上に顔を出したいのかと。嬉しそうな種は答えます。だって春が来たんだよ。早く春を楽しみたいし、大きく根を伸ばし、芽も出したい。大きく成長して、蕾をつけて、きれいな花をいっぱい咲かせたい。こんなに素晴らしいことはないからと。
それを聞いていたさえない顔の種は、根を伸ばしたら何にぶつかるかわからないし、地上に芽を出したら、踏まれたりつつかれたりで、芽や茎が傷ついてしまう。だからじっとしているのが一番。花を咲かせるなんて、もっと大変なことで、誰かに引き抜かれたりちぎられたりしたら終わりだよ・・・と。
最後に、嬉しそうな種はこう言います。花を咲かせるのは、「春ですよ」とみんなに教えるため。春は、神さまが大きく成長するようにと与えてくださって、みんなで神様に感謝する季節だと。
嬉しそうな種は、このあと、すくすく伸びて、根を伸ばし、芽を出して、太陽の光をいっぱい浴び、春の風を受けながら成長して、ついにきれいな花をたくさん咲かせるのです。
わたしたちも、春を迎え、入学、進級の季節を迎えました。これは神様が皆さんに与えてくださった大切なものです。神様はこれをチャンスに、精一杯成長しなさいと「春」を用意してくださっておられます。
聖書・創世記28章15節には、「見よ、わたしはあなたと共にいる。あなたがたがどこへ行っても、わたしはあなたを守り、・・・わたしは、あなたに約束したことを果たすまで決して見捨てない。」とあります。
新しいこと、やったことのないことを前にすると、恐れや不安な気持ちになることがあるかもしれませんが、神様の約束を信じて、何事にも前向きに取り組んでいきたいと思います。「春」。この時を神様に感謝して、スタートしていきたいと思います。
神様はいつも皆さんと共にいてくださいます。
校長 野口秀昭